メッセージアンブレラ 千葉県立美術館

アートプロジェクト『メッセージアンブレラ』の作品を展示。千葉大生とともに行いました。
千葉県立美術館

メッセージアンブレラ -自分の思いを文字や絵にしてみよう-
– 2024年3月5日(火)~2024年3月17日(日) –

当企画は、千葉大学 普遍教育教養展開科目「アートをつくる(担当:加藤 修)」が、コロナ禍でもできるワークショップ形態として発案し、2022年から開催しているプロジェクトです。当企画内容に賛同いただけた中学校にカラービニル傘を必要数送り、制作後返送していただいた作品を、「アートをつくる」スタッフが展示作業を行うというものです。本来であれば中学生が一斉に集まり、学校の枠を超え、互いに意見交換しながらワークショップを行いたいのですが、多くの生徒が一斉に集まり制作することのリスクを回避し、その分、中学校において教師の方からの密度ある指導を可能にしています。
企画内容は、「10代半ばの世代が社会の動向に対してどういった感情や主張を持っているのかを絵や文章で傘に描いて表現する」というものです。新型コロナ感染拡大に関しては一定の治りが見られましたが、ほぼ同時期に始まったウクライナ侵攻、さらに始まったイスラエルによるパレスチナ侵攻など世界規模の戦争継続、政治腐敗、大型天災など、不安要素の多い昨今の社会情勢に対して、彼らの等身大で切実な思いを知ることは、社会側からも欠かせないことです。美術表現とは、単にきれい、可愛い、そっくりに描ける描写技術といったことにとどまらず、一人ひとりの考えを社会に発信する有効な手段としてもその役割を担っています。今回の呼びかけに対しては10校の協力を得ることができ、作品点数は80本となりました。
当企画も3年継続することで、その目的とすることが指導される先生方にも浸透し、中学生たちは社会に対してもしっかり目を向け、深く考えようとしているようです。「グローバル教育」と同時に「身近な社会」についても関心を持つことが必要でしょう。今回の展示の意味するところは、表現者、鑑賞者といった二局の対峙というよりも、次世代から真摯に投げかけられたテーマを多世代がともに考える「広場」ということができるのではないでしょうか。

*会  期:3月5日(火曜日)〜3月17日(日曜日)
*会期中の休館日:月曜日
*開館時間:午前9時〜午後4時30分
*入 場 料 :無料